AIを使うと、いろいろなものが簡単につくれるようになりました。
文章を書く。イラストをつくる。授業案を考える。教材をつくる。
最近では、簡単な学習アプリまでつくれるようになっています。
私自身も、日々の仕事やコンテンツ制作の中でAIをかなり使っています。
実際、AIを使えば、見た目の整ったものを短時間でつくることができます。
でも、使えば使うほど感じることがあります。
それは、AIを使えば、誰がつくっても同じになるわけではない。
ということです。
むしろAI時代だからこそ、その人がこれまで何を学び、何を経験し、何を大切にしてきたのか。
そこに大きな差が出るのではないかと思っています。
AIは「形」にすることが得意
例えば文章を書くとします。
AIにテーマを伝えれば、数秒でそれなりの文章を書いてくれます。
構成も整っています。
言葉遣いもきれいです。
そのまま公開しても、一見すると十分な文章に見えるかもしれません。
でも、読んでいると、
「確かにそうなんだけど、自分が言いたいこととは違う。」
と感じることがあります。
今回、このサイトの記事をつくるときにも同じことがありました。
AIが最初につくった文章を読んで、
「いや、僕が言いたいのはそこではない。」
「もっとこういう経験が背景にある。」
「この部分は、自分の考えとは少し違う。」
と対話を重ねながら書き直しています。
AIは文章をつくることはできます。
でも、
何を伝えたいのか。
その出発点は、やはり自分の中にあります。
思いがなければ、きれいだけれど薄いものになる
これは文章だけではありません。
イラストでも、動画でも、教材でも同じです。
AIを使えば、見た目の美しいものはつくれます。
だからこそ、これからは「きれいにつくれること」そのものの価値は、少しずつ下がっていくのかもしれません。
では、何が残るのか。
私は、
その背景にある思いや哲学
だと思っています。
なぜ、これをつくるのか。
誰に届けたいのか。
何を変えたいのか。
自分は何を大切にしているのか。
そうしたものがある人がAIを使うのと、何もない状態でAIに「何かつくって」と頼むのとでは、出来上がるものは違います。
AIは、思いまで代わりにつくってくれるわけではありません。
学習アプリをつくると、よく分かる
私は最近、AIを使って子ども向けの学習アプリをつくることがあります。
以前なら、プログラミングの専門的な知識がなければ難しかったことです。
今ではAIと対話しながら、教師でもかなりのところまでつくれます。
これは、本当に面白い変化です。
ただ、ここでも感じることがあります。
例えば、
「2年生の算数の学習アプリをつくって。」
とAIにお願いするだけでも、ある程度のものはできるでしょう。
でも、実際に教室で教えている教師なら、
「ここで子どもは間違えやすい。」
「この説明では、まだ難しい。」
「一度に問題を出すより、一問ずつフィードバックした方がいい。」
「この子たちには、もう少し視覚的に示した方が伝わる。」
といったことが見えてきます。
なぜ見えるのか。
目の前にいる子どもたちを知っているからです。
そして、これまで授業をしてきた経験があるからです。
教師だから見えるものがある
同じAIを使って、同じように学習アプリをつくったとしても、
教育についてほとんど知らない人がつくるものと、
毎日子どもと向き合っている教師がつくるものでは、違いが生まれると思っています。
教師には、
子どものつまずきが見える。
発達段階が分かる。
授業の流れが分かる。
「できた」と「分かった」の違いも分かる。
もちろん、教師だから必ずよいものがつくれるという意味ではありません。
でも、これまで積み重ねてきた専門性は、AIを使うときにも確実に生きてきます。
AIが教師の専門性を消してしまうのではなく、
教師の専門性を、これまでできなかった形に変えてくれる。
私は、そんな可能性を感じています。
AI時代だからこそ、学ぶ意味がある
「AIが何でも教えてくれるなら、もう勉強しなくてもいいのではないか。」
そんな考え方もあります。
でも私は逆だと思っています。
自分の中に何もなければ、AIに何を求めればいいのかも分かりません。
たくさん授業をしてきたから、
「ここを改善したい。」
と思える。
本を読んできたから、
「この考え方と組み合わせられそうだ。」
と気づける。
失敗してきたから、
「これは現場ではうまくいかない。」
と判断できる。
学ぶことや経験することは、
AIに答えられない問題を解くためだけにあるのではありません。
AIから、よりよいものを引き出すための土台にもなる。
そんな時代になってきたのだと思います。
AIの先にいるのは、人
AIを使うこと自体は、これから特別なことではなくなっていくでしょう。
文章も、
画像も、
教材も、
アプリも、
多くの人がAIを使ってつくるようになると思います。
だからこそ最後に問われるのは、
「AIを使えるか」だけではありません。
あなたは、何をつくりたいのか。
なぜ、それをつくりたいのか。
そこなのだと思います。
AIは、その思いを形にするための、とても強力な道具です。
教師のAI活用術で大切にしたいのも、単に便利なプロンプトやツールを紹介することだけではありません。
教師として積み重ねてきた経験や専門性。
目の前の子どもたちへの思い。
自分なりの教育観。
そうしたものを持った上で、AIを使う。
AIが主役なのではなく、その前にいる自分が主役。
私は、そんなAIとの付き合い方をしていきたいと思っています。
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